こんにちは。
いやーやらかした。
普段こんなこと、なかなかしでかさないのに。
いきなりなんやねんコイツって感じですが、まあ、外食のときに料理の写真撮り忘れたってだけなんですけど。
たかが写真、されど写真。
日頃から食べたものの写真を見返して喜んでいるぼくのような変態にとっては結構ショックな出来事でした。
よくある言説と思いますが、食べ物の写真を撮るという行為に対して肯定的に捉える人とそうでない人ってそれぞれ一定数いますよね。
ぼくは、食べ物の写真を撮って、それをあとで見返して楽しんだ後に、SNS(まぁイン◯タな)で色んな人と共有しつつ情報交換をするっていう一連の流れが楽しいし、好きだし、趣味でもあるので、是非についてはあんまり考えたことはないんですけど。
食べ物に執着なかったり、食べ物好きでもそういう習慣がない人にとっちゃ確かにただの奇行でしかないわな。
そういう人たちにしてみたら
写真撮り忘れたくらいでガタガタ抜かすんじゃねえ!
って感じなんでしょうけど、まぁちょっとそこらへんはね、思想の自由ってことでご容赦くださいね。
なお余談ですが、ぼく写真撮るときに場を制したりとか、撮った直後にインスタのストーリーに上げたりとかあんまり好きじゃないんです。決して同族嫌悪ではなく。
場の雰囲気もごはんも冷めちゃうような気がするでしょ。しないか。すいません。いや、するよね?しない?
違う考え方をお互い許容できないというところに反目の芽がある-柴田昌治
日本ガイシの元社長もこう仰っていることだし、許容してくれよな…。
というわけで、今回は新国立美術館近くの裏路地にひっそりと佇むフレンチレストラン、L'ESSOR(レソール)さんに伺いました。
L'ESSOR (レソール) - 乃木坂/モダンフレンチ [食べログ]
乃木坂駅周辺って六本木エリアにしてはパリピ臭もあまりせず比較的落ち着いているので、暇なときによく徘徊するんですが、こちらはある日見かけてからというもの、ずっと気になっていたお店でした。
というのも店外観の主張が控えめ、かつ白を基調にシンプルにまとまっているところがとても好みだったんですよね。
個人的に路地裏でエクステリアがシンプルなお店ってのはアタリが多いと思い込んでいることもあり、長らく行ってみたかったお店の一つでした。
とはいえ、やはりこのエリアのフレンチレストランの、それもランチともなれば中心客層はある程度裕福なご婦人、いわゆるF2〜3層であることは半ば常識。
対するぼくはミスボラシイアラサー男、それも訳あっておひとり様ってんで若干の緊張はあるものの、予約しちゃった手前後にも引けず、緊張しつつ恐る恐る入店したのでした。
※フレンチレストランに一人で入るのって何回やっても慣れないね…。
インテリアは外観と違わず白基調のシンプルな様子。
各席にはカトラリーが綺麗にセッティングされていて清潔感もあり好印象です。
店内は思ったより広く、カウンターの奥にはテーブルが5卓程度見えたので、団体利用もできそう。
気になる客層はというと、思った通りF2〜3層のグループ中心でした。
どうやら会話が盛り上がっているようで、それが店の雰囲気を和らげてくれてるのが半分ありがたく、半分ウザイのはご愛嬌。
そんなレソールさんで頂いたのは、特別プランのドリンク一杯付ランチコース。
なおコースは数種類あり、当然ながら価格によって内容が異なるようです。詳細は店公式HPを参照されたしですが、以下三種類のコースが用意されており、高いほど品数が増えます。
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¥2,800 Menu de Jour (平日限定)
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¥3,600 Menu Chef
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¥4,800 Menu Gourmand
今回は必殺・一休レストラン予約を使用したので、厳密にはグランドメニューと異なるのかもしれないものの、内容からして概ねMenu Chefに該当するようです。
その内容ってのが以下の通り。
- アミューズブーシュ
- 大山鶏もも肉のバロティーヌ ハーブのヴィネグレット
- オニカサゴのプランチャ焼き ソースアルグ
- 鴨フィレ肉のロティ 蜂蜜とライムのソース
- 葡萄のコンポートとジュレ グラス・ア・ラ・ヴァニーユ
え、めっちゃ充実してない?
3000円代で、この立地で、これだけの充実度は正直想像以上でした。
となると味は大したこたないんじゃろ?なんて勘ぐっちゃうのが人間の性ってもんだと思いますが、全然そんなことはなく、きっちりとおいしいお料理でした。
以下、各皿の振り返りとなります。
※なります、っていう言葉の正しい使い方云々は一旦無視
■アミューズブーシュ(サツマイモの冷製スープ)
玉ねぎとサツマイモをミルクと合わせてポタージュにし、冷やしていただくこちらのアミューズ。いわばヴィシソワーズのサツマイモ版でしょうか。特にこれといった特徴はなく、まあ美味しいですねという印象。
たまに、え、これどこ食べんの…?!というレベルで奇々怪界なアミューズを出すお店あるけど、まあ、そこらへんは良し悪しというか好みですね。
鳥取のブランド地鶏、大山鶏を使った一皿。
68度の低温調理で仕上げたという鶏肉はパサつかず、脂っこくもなくスッキリ。鶏肉のムースを中心に巻き込んであるので食べ応えもあります。
エストラゴンを使ったソースがキリッと舌を引き締めてくれるので、味にもメリハリがあるのが嬉しいですね。
葉物にかかっているシェリーヴィネガーのドレッシングと酸味被りしちゃってるのが若干気になりますが、しっかりと美味しい、安定したオードブルでした。
ここで事件が起きます。写真撮り忘れた…。
てなわけでビジュアルは各自のご想像にお任せします。
正確にいうと撮った写真を保存し忘れた。そんなことあんのかいなって感じですが、確かに撮ったはずなのに、カメラロールのどこを探しても見つからないってことは、まあ保存前におかしな画面遷移をしちゃったんだろう…。
プランチャってなんじゃらほいと調べてみると、どうやらスペインでの鉄板の呼び名のようです。
つまり、こちらはオニカサゴを360度の鉄板で皮目をこんがり焼き上げたもの。
皮目はパリッと、身肉はしっとりと良く焼きあがっているのはプランチャのおかげでしょうか。
面白かったのが、オニカサゴの下に敷かれたソース・アルグ。フランス語で海藻を意味するアルグを名前に冠するこちら、なんと叩いた海藻をフュメドポワソンで伸ばして作るんだとか。
ちょっと日本人には難解と言えなくもないけれど、潮の香りが詰まっていて魚好きとしては嬉しい一皿でした。
ただ一つ惜しむらくは、オニカサゴってわりと淡白な魚なので、もう少し、キリッと塩を効かせるなりして味にメリハリがついていたほうが、個人的には好みだったかもしれません。
代わりにといっちゃあなんですが一緒に頂いた辛口リースリング載せときますね。すっきりして美味しかったなあ。
■鴨フィレ肉のロティ 蜂蜜とライムのソース
ぶっちゃけた話、こちらも写真撮り忘れちゃった…。メイン二種の写真撮り忘れるとか何やってんだろうね。
※写真は食べログのお店投稿写真を拝借しております。
それはさておき、こちらはメインに相応しいお味でございました。
いわゆる温かいレア状態にロティされた鴨肉は肉汁豊富で噛むと旨味が滲み出てきます。
フォンドカナール、シャルドネヴィネガー、蜂蜜をベースに作られた、コクのある甘酸っぱいソースが気持ちいい。
ガルニチュールは加賀野菜のローストで、どれもじっくり火が入れられているので甘みがあり、鴨の旨味を引き立ててます。
例によって、それほど目新しいという印象はないものの、シンプルに美味しくて嬉しいメインディッシュでした。
飲み物はブルゴーニュのピノ・ノワールをいただきました。軽い渋みが鴨肉に合う。
一通り食事をいただいて、さあデザートやでえというタイミングで食後のドリンクはなにが良いか希望をとられます。
なんとなく紅茶を所望してみたら、なんと大量の紅茶葉の缶を持ってきてくれました。
種類の数、えぐくない?
聞くとこれら全てドイツの名門紅茶メーカー、アルトハウスのもので、日本のレストランではほとんど扱われていないとのこと。
そう聞くとなんだか有り難くなっちゃうあたり、ぼくが小市民たる所以ですが、そんなことは置いといて、ひとしきり悩んだ後にベルガモットの香りが爽やかなインペリアル・アールグレイをチョイス。
茶葉とお湯が入ったティーポットと砂時計が運ばれてくると、お兄さん「このまま3分お待ち下さい」とのこと。
砂が全部落ちる頃にはデザートも運ばれてきて、いささか畏まりつつコースの締めくくりに取り掛かるのでした。
■葡萄のコンポートとジュレ グラス・ア・ラ・ヴァニーユ
巨峰のコンポートに加え、シャインマスカットも入っていて贅沢にも二種類の葡萄が楽しめるデザートです。
葡萄を煮た時のシロップをゼリーにして添えてあるので葡萄の香りいっぱい。
グラス・ア・ラ・ヴァニーユ、すなわちバニラアイスが添えられているのでそれなりにコッテリしてますが、甘すぎないため葡萄と合わさると想像以上にスッキリいただけます。
苦心の末に選んだ紅茶も、何がインペリアルなのかはわかんないけどクールな味わいで、食べ終わる頃にはそこはかとなく清涼感を覚えるデザート、およびドリンクでした。
最後までしっかり手が込んでいて、ほんとに、このコース3600円でいいんだよね…??
と、少しだけ不安を覚える勢いですが、お会計をお願いするとほんとに3600円でした。ふう。
色々工夫もされているんだろうけれど、この立地・内容では十二分な費用対効果だと思いますよ。
気になるのは、モダンフレンチにカテゴライズされているものの、そこまで斬新さは感じられない点。
ヌーベルキュイジーヌとかそういう目新しさを売りにしているところと比べるとどうにもクラシックな印象は受けますが、まあそんなところは店側の匙加減なので今後どうなるかは静かに見守りたいと思います。
個人的にはまたぜひ伺いたいお店ですね。
そのかわり、今度は一人で行くのはよそう…。
やっぱブラッセリーとかビストロならいざ知らず、フレンチレストランに一人は寂しいわ。
みなさんも六本木、乃木坂エリアにお越しの際は是非いってみてくださいね。
それでは、今回も駄文をお読みいただき、
どうもありがとうございました。
続く
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