【食べ歩き】星野リゾート 界川治(川治湯元)
こんにちは。
気づけば2020年も3月に突入し、ラスト更新からなんと三ヶ月近くが経過してしまいました。
何かとバタバタしていて放置気味でしたが、またボチボチ更新していければなーと思います。
これだけ間隔が空けばネタも溜まりに溜まって何から書けばいいのか些か戸惑いますが、とりわけ印象的だった掲題のお宿について徒然なるままに感想を書き殴りたいと思います。
なお、今回伺ったのはご存知の通り温泉宿ですので、食べ歩き記録というよりは滞在記になりますこと、あらかじめご了承ください。
(誰に説明しとるんじゃ)
というわけで、今回は栃木県の秘境・川治湯元にある、星野リゾート界 川治に伺いました。
界といえば、もはやお馴染みの星野リゾートが手掛ける温泉宿ブランドですよね。
利用に至った経緯としては、以前に妻の誕生日記念旅行で箱根の界を訪れた際、彼女がたいそう感激していたので、結婚後第一回目の誕生日旅行である此度も界パワーにあやかろうと思ってのことでした。
また、界川治の最寄である川治湯元駅は、東武浅草駅や北千住駅など都内の駅から電車一本で約2時間程度で行けるので、都内の人間にとってプチ旅行にはうってつけなところも、川治をセレクトした理由の一つでした。
川治湯元駅に到着して階下のロータリーに降りるや、界川治のロゴが書かれたマイクロバスがお出迎えしてくれました。
事前に問い合わせたところによると、予約は不要、なぜなら下り電車の到着時間ごとに送迎を行っているから、なんだとか。なんというホスピタリティ、お疲れ様です…。
バスに揺られること5分(近!)、到着した界川治はなんだか昔ながらの温泉宿といった佇まい。
界シリーズは温泉宿を買い上げて星野の世界を作り上げるのが基本スタンスとはいえ、ここまで前身の面影を残しているあたり、ちょっと箱根とは趣が異なるようですね。

門をくぐったあとの、玄関までのアプローチ。野趣を感じる素朴な造りです。
里山をコンセプトにしているだけあって、水車小屋が設けられています。
予約すれば中でお茶を飲んだりオリジナルの甘味が楽しめるんだとか。

エントランスは広々としていて、中から漏れる朱色の灯りがなんとなく星野リゾートらしい。
館内に入ると、ロビー横のウェイティングスペースに通されます。
随所にひょうたんのモチーフがあしらわれており、郷土色を感じさせてくれます。
それでいてオシャレにまとまっているのはさすがですね。
併設されている売店には、益子焼の陶器が豊富に取り揃えられていて、器好きは目移り必至。
ウェルカムドリンクはほうじ茶でした。
暖冬にあって雪もちらつく中、冷えた体に温かいお茶はうれしい。
ドリンクを飲み終えてほどなく、20代半ばくらいのスタッフさんがお部屋へ案内してくださいました。
星野リゾートのスタッフさんって、説明がたどたどしかったりするものの、皆さん笑顔にあふれていて、おもてなしの気持ちが感じられてうれしいですよね。

和モダンでスタイリッシュな空間ながら、お部屋奥には掘り炬燵もあり、日本人には心から寛げるうれしい造り。
ベッドではなく板間にマットレスを敷いた寝床も、酔っ払って転げ落ちる心配がなくて有難いですね。転げ落ちると痛いもんね。

荷物をお部屋においてひと段落したところで、まだまだ夕食まで時間があるぞってことで、館内を散策することに。
さしあたって今回は、界シリーズの名物、ご当地楽を体験してみました。

ご当地楽とは、各地域の風習や文化を楽しみながら学べる星野リゾートならではのアクティビティとのこと。(以下、公式サイトより)
全国に展開している温泉旅館ブランド「星野リゾート 界」では、それぞれの地域の特長的な文化を楽しんでいただけるよう、界オリジナルの特別なおもてなし「ご当地楽」を用意しております。
とりわけ、ここ界川治では、農家で使用してきた石臼を使って大豆を挽くことで、オリジナルの黄な粉を作れるというもの。
初めに聞いた際は「なんじゃそりゃ…」といぶかしく感じたものの、思えば石臼なんざ使った記憶ないな、ということでレッツトライ。
独自のブレンドで大豆を選んで、上述の石臼にセッティング。ガイドラインに従ってゴリゴリ石臼を挽いてみると…


ヤバい粉(黄な粉)が出来上がりました。

挽いて終わりではないのが星野リゾートの面白いところで、オリジナルのヤバい粉(黄な粉)はセルフサービスのわらび餅にかけていただくことができます。なんだか一味違うのは自家製ゆえの愛着のせいでしょうか。
最初はバカにしていても、やってみれば意外とハマってしまうのがタノシイ。
ほかのお客さんを見るに同じ気持ちだったようで、和気あいあいとご当地楽を楽しんでいる様子でした。
界川治では他にご当地楽として紙漉き体験もあるようですが、先着順レースにあえなく敗退したため泣く泣く断念。まあ昔やったことあるから別にいいんだけどさ。
そうこうしているうちに、夕食まで1時間を切りました。
当方には温泉宿での夕食は湯上りのビールから、という矜持があるため、慌ててお風呂に向かいます。

地下(EV表記上は1F)の大浴場エントランスを抜けると、縄のれんの向こうに開放的な湯上りリラックスゾーンが設けられています。
窓際のスペースは瞑想用とのことで、何人かのお客さんが精神を鎮めていらっしゃいました。瞑想の効能をしたためた張り紙もあるものの、なんだか僕には考えの及ばない、よくわからん先進的な世界ですな…。いつか挑戦してみよう。
以前箱根を利用した際に感激した無料アイスキャンディーサービスは、ここ川治でも健在でありました。
夕食前だったので控えましたが、個人的には星野のホスピタリティの象徴にすら感じます。(ホントかよ)
男子風呂、女子風呂いずれも構成は同じで、露天風呂2種類、内風呂1種類、それにサウナといったラインナップのようです。「傷は川治、火傷は滝(鬼怒川)」と言い伝えられている通り、心の傷がみるみる癒されていく泉質は、名湯の面目躍如といったところでしょうか。(我ながら意味不明)
湯上りビールの準備が整ったところで、満を持して夕食会場へ向かいます。
本日の献立はこちら。
あいかわらず盛沢山ですね。
会席料理のお品書きって、あしらいレベルまで書き出すから若干のかさ増し感が漂ったりするけど、それを差し引いても盛沢山です。蓋物なんざ巷でなかなか目にしないもんな。
ということで期待に胸膨らませつつ、まずは矜恃に従いビールで乾杯。生の銘柄はハートランド一本でした。スタイリッシュなイメージに合わせているのかな。
■先付け: あわもち

練った赤味噌を、あわもちにちょこんと添えた里山らしい一品。あわの素朴な甘みを味噌の渋みが引き締めて気の利いた先付けです。
■煮物: 南瓜のすり流し 大根餅 棒蟹 絹さや

出汁で伸ばした南瓜は甘すぎず、昆布の旨味も感じられて胃に染み入ります。
大根餅のざっくりもちもちした独特の食感は心地よく、食欲がそそられる前菜ですね。
次に運ばれてきたのは、造りと八寸が盛り込まれた華やかなお膳。各地の名産をモチーフとした八寸は目にも楽しく、界ブランドの名物といえるでしょう。

■造り: 鱒、ローストビーフ、湯波

造りは秘境・川治ならではの山の幸。まろやかな湯波、やわらかなローストビーフ、こってりした鱒。単純だが安定のラインナップでした。
■八寸: 鯛棒寿司、蟹と菊花の砧巻き、鴨燻製と林檎、フォアグラ干し柿、松笠慈、はしばみの白和え、ナマコポン酢

山海の味覚をバランスよく楽しめるように、との気遣いが感じられる華やかな盛り合わせ。少々食事の運びが駆け足だったこともあり不完全燃焼な感はあれど、各品に手間が掛かっており、目にも舌にも楽しめるお皿だったと思います。
ただ、鴨に合わせた林檎の印象が強過ぎたりと、モダンジャパニーズを意識する余り甘味と塩味の取り合わせに躍起になってる感が少々気になったかな。
酒の肴然とした料理が続き、たまらず日本酒にチェンジ。郷土色を大切にする界川治には、栃木の地酒も取り揃えております。
酒のことになると一気に優柔不断に陥る当方は飲み比べセットをチョイス。性格の異なるお酒がいっぺんに楽しめて飲兵衛にはうれしい限り。

■揚物: フォアグラ東寺揚げ、野菜の天婦羅

東寺揚げとは、具材を湯波で巻いて油で揚げた料理のこと。癖のあるフォアグラが油分と出会うと大人しくなり、不思議と湯波と調和しておいしい。
■蓋物: 穴子と湯波の炊き合わせ

メインディッシュに移る前に、蓋物として炊き合わせが供されます。いわゆる巻繊焼きのように、具材を卵でまとめた生地と穴子を合わせてあり、淡白ながら複雑な味わいで楽しめました。
ここで、バタバタと台の物の準備が始まり、なんとなく食べるのを急かされる空気が流れ始めて落ち着かなかったのは残念なポイントではありました。
■台の物: 猪と和牛の味噌仕立て鍋

お次は、猪肉と和牛のお鍋を甘辛味噌仕立でいただきます。なお、詳細は公式サイトを参照されたしですが、当メニューは専用プラン予約必須ということで今回のメインイベントといえましょう。
まさしく牡丹のような美しい佇まいの猪肉と牛肉。鮮やかな見た目のせいか、そこそこ満腹にも関わらず食欲が湧いてくるのが危険。

完全セルフサービスという星野リゾートらしからぬ放置プレイに面食らったものの、これはこれで鍋奉行の血が騒ごうというもの。
甘めの味噌床は香り豊かで、焦げた風味も相まって肉の味を引き立てます。
さあ食うぞーと意気込んでいるところにお給仕さんが土鍋で炊かれた白飯を運んでいらっしゃいました。
なんでも、飯に合う味付けで仕立てているため、ぜひご飯と一緒にお召し上がりください、とのこと。
そうまで言われては、米食民族の誇りにかけてお米を頂かないわけには参りませんってなわけですかさず食べごろの牛肉をオンザライス。

味噌仕立ての霜降り肉と炊き立てご飯を合わせてまずかろうはずもなくひとしきり悶絶。
お次は山間部ならではのジビエの華、猪肉に取り掛かります。猪の醍醐味はなんといっても分厚く携えたその脂身。
白く染まったら火が通った合図。元祖でぶやよろしく、こちらもすかさずオンザライス。

噛み締めると脂がジュッと染み出して、土鍋ごはんの甘味と合わさって、山岡士郎風に言うと日本人なら誰でも好きな味だよ!(妻は数枚つまんで打ち止めだったのは内緒)
当然若干の癖はあれど、それがまた好きな人間としては野趣が感じられて楽しめました。牛肉と食べ比べるので猪の旨味を認識しやすく、ジビエを食べつけていない人には里山の醍醐味を味わえる趣向だと思います。
余談ですが確実に一合以上はあった土鍋ごはんを気付いたら食べ尽くしていてビビった。
■甘味: 苺と花豆のミルクムース

甘納豆が添えられたミルクムース。非常にオーソドックスながらもはや超絶満腹なことを考えればむしろこれくらいがちょうどよく、かえって身に染みますね。妻分にはご厚意で誕生日記念メッセージを入れていただいたのですが写真を撮り忘れました。
ここまで頂けば、献立盛り沢山なことに加え、先ほどの土鍋ごはん食べすぎ問題もあり、限界にお腹いっぱい。食べるのに夢中でお酒を思うほど頂けなかったことを心残りに感じつつ、あえなく打ち止めと相成りました。
部屋に戻れば、酔いと満腹からの睡魔に抗えるはずもなく、意識を失うとともに夜は更けていきました。
明くる朝、炬燵に目をやると、妻が空けたとおぼしきハートランドの空き瓶が並んでいるのをみるや、部屋付冷蔵庫のハートランドは1本420円で頂けることを思い出し落ち込んでいると、
まだ酒が残ってんなーということで、かねて気になっていた足湯に行ってみることに。

これまで、足湯ってなんとなーく衛生面が気になって敬遠していたものの、綺麗なお湯と渓流沿いならではの開放感のおかげでしっかり楽しめました。
そうこうしているうちに、朝ごはんの時間がやって参りました。
献立を見るや、夕食に引き続き盛り沢山で、昨晩あれだけ食べたのに思わず空腹が刺激される。

献立には川治に伝わる郷土料理がふんだんに盛り込まれていて、それにまつわる昔話を楽しみながらお膳が運ばれてくるのを待ちます。

そしてやってきたのがこちら。
和食党にはたまらんビジュアルをしてはります。
ご飯はもちろんおかわり自由とのこと。気をつけようね。(自戒)
■鬼子蔵汁
その昔、病気の妻を救うために鬼子蔵さんが阿弥陀様の助言を得て作ったと言う具沢山な汁料理。お餅も入っていたりして豪華なお雑煮といった感じ。疲れた胃にも受け付けやすく、なるほど元気出そうだわ。
■とばっちり
こちらも川治に伝わる郷土料理。日本昔話っぽく洒落の聞いた名前の由来が面白いだけでなく甘辛いかんぴょうと温泉卵が絡んでとても美味しいです。家でも作りたい。
■豚の角煮、味付わらび
しっかり食べ出のある豚の角煮の存在感。ほろほろに柔らかくて甘辛めの味付けで、ご飯が進みます。
■鮭の塩焼き、唐辛子味噌
朝の定番、塩鮭は安定の美味しさです。山あいにしては塩分が控えめで、飲み明かした朝には優しい味わいが有難い。
■鶏と豆腐のつくね、野菜の炊き合わせ
こちらも淡めの優しい味付けがむしろ際立つ一品。素朴さが強調されるラインナップの中にあって、カワイイ梅人参が目にうれしいです。
地方の特色を上手に盛り込んでくれるのは本当に有難いです。もちろん、なんの変哲もない温泉宿の朝ごはんもそれはそれで良いのだけど、やっぱり観光客のツボを押さえてくるのはさすがですよね。夕食に引き続き、しっかり楽しめました。
というわけで、朝食も大変美味しくいただき、チェックアウトまでの時間を潰すのに利用したのがこちらのスペース。


ハーブティーやコーヒーが無料で頂けるうえ、旅や地元風俗にまつわる本が用意されていて、ちょっとしたカフェ仕様。
渓流を見ながらコーヒータイムなんて、余計に帰りたくなさが募りますが、旅情の余韻を楽しむにはうってつけな大人の空間でした。
そうこうしているうちにチェックアウトの時間がやって参りました。本当はもっと後ろ倒しにしたかったけど、予定が詰まっていたこともあり、後ろ髪引かれつつも同宿を後にしたのでした。
旅行ブログよろしく、なんだか長々と記載してしまいましたが、星野リゾートってさすがだなあと改めて感じた滞在でした。
社員の若さ故か、覚束ない点もたくさんあるが、それを補って余りあるツボの抑え具合というのか、なんとなーく許せてしまう不思議な強さを感じるんですよね。
界川治を訪れることは当分ないかもしれませんが、また星野リゾートを利用する時が楽しみに感じさせてくれる、そんな1泊2日でした。
妻も喜んでくれたようで、おかげでよい誕生日旅行となりました。素敵な時間を過ごさせていただき、どうもありがとうございました。
続く
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【食べ歩き】Cot(広尾)
こんにちは。
こみ上げる創作意欲に身を任せ本日も元気に更新です。
年末を迎え驚異の更新率をたたき出しておりますが、じきに収束するだろうし温かく見守ってまいりたいと思います。
というわけで今回は、クリスマスというのもあり、ちょっとおしゃれに西麻布のフレンチレストラン・Cotさんに伺いました。
フォルダを見返してみると、意外とフレンチレストランにはちょくちょく伺ってはいるものの、やっぱり西麻布となると身分不相応な気がして緊張しますね。
以前この近辺を散歩しているときに前を通りかかって以来、ずっと気になっていたこちら。
調べてみると、何でもこちらのシェフはかつて伝説のレストラン・まっくろうで長年働いた経歴があるんだとか。
まっくろうといえば、某グルメ漫画・美味しんぼにもちょくちょくその名前が出てくることでも(ぼくの中では)有名ですよね。
※ちなみに記念すべき第一巻の扉表紙の料理写真は、同店調理によるものだそう。
そんなわけで、緊張とともに大きな期待を抱きつつ西麻布の地に降り立ちました。

ギャルソンさんにお出迎えいただき着席すると、まずは食前酒は何にするか尋ねられます。
そんなに喉も乾いておらず、食欲が尋常ではなかったこともあり、キールをお願いしました。

店内はクリスマスなせいかカップルでにぎわっていて、若干バタついた雰囲気ではあるものの、比較的速やかにコースが開始されました。
■アミューズのカレーパン

アミューズは意表を突く一口サイズのカレーパンでした。
なんじゃこりゃと一瞬思ったけど生地がなんだかピロシキみたいにずっしりしていて甘味もあり、想像よりずっとおいしかったです。
■パン、バター、豚肉のリエット

パンはフランスパン&クルミのパンの2種類(いずれも正式名称不明)で、なんと豚肉のリエットが一緒にいただけます。
バターだけでも食べすぎちゃうのにリエットなんぞ付いてきてはワイン泥棒というほかないですね、もはやアル中で死んでもいい。
前菜パートが開始されるこのタイミングで、白ワインをおまかせでオーダー。
ボルドーのソーヴィニョンブランをグラスでいただきました。
相変わらずワイン関連ボキャブラリーが皆無なので難しいことは言えないですけど、フレッシュで料理の味を際立たせてくれますね。
■トリュフのブリック風

同店のスペシャリテと思われる、見た目にもインパクト抜群な前菜の一皿目。
パイのようなビスケットのような生地のうえに、玉ねぎの甘味が利いたベシャメルを塗り、さらにトリュフのスライスが大量にトッピングされています。

手づかみで二つにたたんで頬張ると、甘ーいベシャメル、それをピリッと引き締めるトリュフが口中を満たして、うっとりしちゃう美味しさ。
これだけもう二皿くらいたべたかったなあ。
■牡蠣のムース 海水のジュレ

海水のジュレってのがパワーワードすぎて思わず2回聞き返しちゃったこちら。
その名の通り海水をゼラチンで固めたジュレが牡蠣のムースの上にちりばめられています。
ほどよい塩味が牡蠣ムースの甘味をより際立たせていて、めちゃくちゃおいしいです。

まるまる一個牡蠣が入っていたり生海苔がトッピングされていたりと、磯の香がプンプンするのに白ワインと全く喧嘩しないのはもはや意味不明です。
次なるフォワグラに合わせてナパバレーのカベルネソーヴィニヨンをいただきました。

カリフォルニアワインも取り揃えているなんて懐が深いですね。
渋みと果実感がちょうどよくて、いろいろなものに合いそうな味わい。

前菜の三皿目はフォワグラをソテーし、軽く火を通した洋梨を添えたシンプル極まりないもの。
とはいうものの、シンプルどころか複雑極まりないソースの旨味にはびっくりです。
バターとマディラ酒ベースと思しき甘めのソースに、軽くキャラメリゼすることで苦みがアクセントとして加えられています。
かすかにトリュフのようなピリッとした風味がしたりとバラエティに富んでいて、最後までまったく舌がダレることなくいただけました。

ここでグラニテで口の中をリフレッシュ。
ミントと紅茶のおかげで味覚が新鮮になって、準備万端。
■仔羊のロースト ワサビのソース

メインは日替わりで、肉・魚料理全8品の中から選べます。
雷鳥とかエゾ鹿とか季節感溢れるジビエに心惹かれつつも悩みに悩んだ結果、フレンチの定番・仔羊のローストをセレクト。
外側はカリっとしていて内側はレアかつ温かいといった具合の理想的な火の通り方で、肉汁の旨味もばっちり。

ワサビソースの鮮烈な刺激が肉の旨味を際立たせてくれて、まさしくメインにふさわしい、間違いない美味しさでした。
■フロマージュドブラン

デザートも、フルーツからお菓子までバラエティ豊かなラインナップの中から一つを選ぶフレキシブルスタイル。
ぼくがいただいたこちらは、ふわっふわ真っ白なレアチーズケーキが、バニラの香り豊かなカスタードソースに浮かんでいます。
どちらも甘さはすっきりしているので、甘いものが苦手な人でもおいしく召し上がれるんじゃないでしょうか。
サービスのコーヒーor紅茶をいただいて、めでたくコースは〆。
いやー最初から最後までめちゃくちゃおいしくいただきました。
ギャルソンさんもシェフも気さくな人柄で雰囲気も温かいし、西麻布とは思えないほど居心地のよいお店でした。
本当に、すてきなレストランに出会えた時の充実感って、人を幸せにしてくれますね。
気になるお会計ですが、コース単体で一人8000円、グラスワインはそれぞれ1500~2000円といったところでしょうか。
もちろん、ぼくのような庶民にはこうしたハレの日くらいにしか伺い難い価格設定ではあるものの、西麻布という立地からすればかなりリーズナブルと思います。
この界隈では、お酒一杯飲んだだけで3000円、なんてザラですもんね。
驚いたことに帰り際にはシェフに出口までお見送りいただいたかと思えば、先ほど頂いたフランスパン&コンフィチュールのお土産まで。

最後の最後まで抜群のホスピタリティでした。
ぜひまた伺いたいと思います。素敵な時間を過ごさせていただき、どうも有難うございました。
続く
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【食べ歩き】柳家(瑞浪市)
こんにちは。
年末が近づくにつれゆとりが出てきたもんだから、調子こいて今日も元気に更新です。
例によって時間差投稿ですが、今回のテーマは岐阜県は瑞浪市に位置する柳家さんです。
柳家 (やなぎや) - 瑞浪市その他/郷土料理(その他) [食べログ]
フランスの権威ある料理ランキングサイト・La Listeにも名を連ねたことがあり、かつて数年間食べログ総合一位の座を守り続けたという筋金入りの人気店。
すこしでもグルメに興味ある人ならば一度は耳にしたことがあると思われる、ジビエ料理のお店です。
予約困難店として名高いこちらですが、その理由は人気ゆえの競争率のほかにも、料理のサービング形態、かつ一見予約不可という点にあります。
グループごとに一つの囲炉裏を囲むため、最小4人からのみ予約可能であるうえに、ドタキャン防止策として一見客は予約お断りとのこと。
そうした事情もあり、同店を訪問する人は来店時に次回分も複数人分予約しておき、人数を集めて柳家ツアーなるものを開催することが多いようです。
実はその柳家ツアーには昨年も参加させていただいたので、今回は一年ぶり2度目の訪問となります。
昨年のあまりの感動もあり、当日の一週間前からわくわくソワソワしながら、今年も参戦させていただきました。
当日はJR名古屋駅から電車で1.5時間程度の場所にあるJR瑞浪駅に集合し、そこから柳家さんの送迎バスで同店に向かいます。
このあたりで、わざわざ東京から…それも日帰りで、皆様ようやるよなあという呆れのような尊敬のような感情を覚えますね。もちろんいい意味で。
そんなこんなで車にゆられること約20分、到着したのがこちら。

いかにも日本家屋といった感じのたたずまいですね。
通されたお部屋の囲炉裏にはすでに火がくべられており、外はあんなに寒かったのに室内はぽかぽか。

最初のドリンクにはビールをチョイスして乾杯していると、さっそくコースが開始されました。
■蜂の子の佃煮

長野や岐阜の山岳地帯は虫食文化が有名ですよね。
お通し代わりに栄養満点な蜂の子をいただきます。
見た目が見た目だけに人を選ぶけど、サクサクした触感が病みつきになりそう。
■落ち鮎

去年伺った際には出てこなかった、この季節だけの落ち鮎を塩焼きでいただきます。
ぱんぱんに詰まった卵の食感と鮎ならではのさわやかな香りが同時に味わえるのは、落ち鮎ならではの醍醐味です。

ちょっとかわいそうな気がしなくもないけど、おいしくいただいたので許してね。

ジビエといやあ赤ワインやろがい!という誰からともない一声もあり、店員さんに選んでいただいたのはブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタン 2016。
なんでもナポレオンが好んだワインで、戦地においても嗜んだという、由緒あるワインだそうです。ほんまかいな。
香りはフルーティで、なるほどジビエに合いそう(程度のことしか言えないのでもっとワインの勉強したいと思います)。
ちなみに柳家さんはワインの品揃え豊富なことでも有名だそうで、店員さんも造詣が深いようです。
さすが超人気店は意識が高いですね。見習いたい。
■猪バラ肉のネギマ

まずは、猪肉とネギを串にさして焼いた柳家流ネギマ。
バラ肉というだけあって脂身の割合は多いものの、獣肉にありがちな臭みが少しもないのには驚きます。
脂を吸って柔らかくなったネギも甘くておいしいです。
■大根の塩もみ

柳家さんの影の名物ともいえるこちらは秋大根を塩でもんだだけのシンプルなもの。
箸休め的存在でお替り自由ですが、これが食べ始めるとなかなか止まらない恐るべき一品なんですよね。
口内がさっぱりするうえ、消化にもよいとのことなので、お言葉に甘えてどしどし頂いてしまいました。
■猪肉のロース

次に、同じ猪肉のロース部分を囲炉裏で焼いたものをいただきました。
ロースには脂身と赤身が同居しており、双方の良さを楽しめます。
脂身部分はじゅわっと染み出る脂の良い香りはネギマで確認済の通り。
赤身部分も決してパサつかず、かみしめたときに出てくる濃い旨味がたまりません。
ここで例によって酒が切れたぞってことで、またもや店員さんにお願いして手頃なやつを選んでいただきます。
そしていただいたのが、バルバレスコ 2018。ネッビオーロ種ぶどう100%の高級ワインとのこと。
あ、これ代々木公園のOstuさんで見たやつ!!と一人でテンション爆上げしたものの飲んだことはなかったので大人しくテイスティング。
まあ案の定、重厚な味でおいしいなあ、という程度のことしか言えないんだけど、本当においしかったのでまた機会があれば頂きたいです。
■ツキノワグマのロース

都内にいてはなかなか味わえないツキノワグマのロース。
クマのロースと言われたって全くピンと来ないけど、食べてみると脂と肉の割合はちょうどよく、やっぱりロースだなあと納得できてしまうのは不思議なところ。
固めの肉質ゆえに薄くスライスしてあるため、適度に歯ごたえを楽しめます。
脂は存外臭みがなく、とってもおいしくいただきました。
■エゾ鹿肉のロース

この日のメインはエゾ鹿肉のロースでした。分厚くスライスされた切り身は風格たっぷり。
ここまで猪、クマと驚くほど厭味のない脂身をいただいてきましたが、このエゾ鹿はそれに輪をかけて臭みのない、むしろいい香りすらする脂身です。
赤身部分と脂身部分の歯ごたえのバランスという点でもこの日随一で、口の中で両者が交じり合ったときの快感がすんごいです。
■猪鍋


猪肉と豆腐や野菜を、中部地方ならではの赤味噌で煮込んだ猪鍋が鉄鍋に入って出てきました。
汁全体に肉と野菜の旨味が行き渡っていて、満腹なのについつい飲みたくなっちゃうのが怖い。
基本的に味噌汁なので、ごはんにざぶざぶかけて食べたい衝動に襲われます。
■むかご御飯 自然薯

コースの締めは、むかごを炊きこんだ御飯にさらに自然薯をかけていただくという、いわば山の親子丼。
これが一番おいしかった…と某先輩にも言わしめる、大根と並ぶ柳家さんの影の名物です。
むかごがほくほくしているところに濃厚な自然薯が絡んだときの快感に絶句。
なんだかもうようわからんうちに気づいたらお替りしちゃっている’、そんな危険な美味しさでした。
締めが済んだところでデザートにみかんを一人一個いただいて、めでたくお開きに。
御飯お替りしすぎたせいかどうかは定かじゃないですが、限界におなか一杯で死にそう。
おかわり自由って言われると限界に挑戦してしまう癖は来年の課題ですね。
気になるお会計は一人当たり18000円程度。
お料理は先述の通りたくさんいただいた上、お酒もかなり飲んでいることを考えれば破格ともいえるかもしれません。
超人気店と聞けば身構えてしまいそうだけど、いざ伺ってみると納得できること請け合いなお店だと思います。
そして何より、囲炉裏と炭火がすごいですね。
みんなで囲炉裏を囲んでおいしいものをいただく幸福感、炭火の遠火の強火で焼くことによる食材の旨味、そんなところも同店が人気の理由なんじゃないでしょうか。
今回も本当にいい経験をさせていただきました。
最後になりますが、お誘いいただいた先輩方、素敵な時間を提供いただいた柳家諸兄、
どうもありがとうございました。
続く
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【食べ歩き】らんまる(不動前)
こんにちは。
年の瀬もたけなわ、今日この頃いかがお過ごしでしょうか。
なんだか最近バタバタしてて、もはや最終更新日が思い出せないレベルで間隔があいてしまった。
三日坊主ならぬ三月坊主に終わるのもシャクなので久しぶりに更新です。
というか、毎度毎度ボリューム詰め込みすぎるのも更新しづらい一因であるという反省も生かして、今後はあくまで食べ物にフォーカスしていきたいと思います。
てなわけで今回は東急目黒線不動前駅の住宅街に佇むらんまるさんに伺いました。
不動前といえば鮨りんださんが有名ですが、こちらはその姉妹店で、もともとはうどん屋さんだったとのこと。
鮨も食べられるうどん屋さんだったのが、あまりにも高い鮨の評判に引っ張られ、いつしか鮨専門店と化したという、なんともヘンテコな経歴を踏むお店です。
そんなようわからん沿革とは裏腹に、グルメな先輩が所望するだけあって鮨オタ間でも評判はすこぶるよく、めちゃくちゃ楽しみにしながら伺いました。
なお今回の予約は、人気店というのもあり恒例の必殺・一休レストランリクエスト予約を使用しました。
確約はできないけど空きがあれば予約枠にねじ込んであげるよーというスタンスの半ば運ゲーなシステムですね。
実はこれを使用したときの勝率って大体3割くらいなんですが、今回はかろうじて3人分予約にて奇跡的に勝ちを拾うことができました。多謝。
お店に入るとまず飲み物を聞かれたので生ビールをお願いしました。
ちなみに話には聞いていたけど大将めちゃくちゃ若いっす。聞くと若干26歳とのこと。年下の分際でかなりの貫禄です。
それでいて、内一人が若干遅れる旨を伝えると嫌な顔一つせず時間差スタートを快諾いただいたりと、ホスピタリティ精神も兼ね備えておられます。
■のどぐろ

そうこうしているうちに、まず出てきたのがのどぐろの握り。
「うちではまず握りを二貫お出ししているんですよー」と話す若大将。
お任せコースでいきなり握りってあんたどないやねんと思いつつ口にしてみると、あまーい脂が一瞬にしてさーっと溶けて、犯罪的なおいしさ。
あいさつ代わりというかもはや宣戦布告レベルのインパクトでした。
■赤身づけ

続くは気仙沼の本マグロは赤身のづけの握りをいただきました。
煮切りは甘さ控えめで、マグロの赤身の肉々しさと鉄分っぽさがたまりません。
粒がしっかりしているのに口の中で自然にほぐれるシャリをねっとりマグロが包み込んで、うっとりです。
大将の思惑通り、めでたく一同のけぞっているところに、おつまみパートの開始です。
■セイコガニの茶わん蒸し ハマグリ餡

一品目は、今が季節のセイコガニをつかった茶わん蒸し。
11月と12月の2か月間のみ漁が許されるセイコガニすなわち松葉ガニのちっちゃいやつを贅沢にも内子と外子もろとも茶わん蒸しにしてもうたらしい。
ぷちぷちした外子とねっとりした内子、さらに滑らかな卵生地が相まっておいしすぎて死ぬ。ハマグリの旨味も効いています。

■カワハギ 肝醤油


カワハギの肝って、数ある中でもベストオブ肝だと思うのはぼくだけでしょうか。こってり濃厚なのに少しも生臭くないのは驚きです。

大将おすすめの三陸産わかめに肝醤油をつけて食べるのも、箸休めにしてはいい意味でおいしすぎる。

これはビール飲んでる場合じゃないということで、すかさず山本を頂きます。カワハギの肝をどっしり受け止めてくれます。

■蒸し鮑

江戸前鮨の代名詞・蒸しアワビはやわらかく仕上がりつつもコリコリした触感が残っているタイプ。
ふだんチリアワビばっかり食べているぼくには刺激が強すぎるなあ。もちろんいい意味で。
■白子ポン酢

またもや冬の定番が出てまいりました。ダレることなく筋がくっきりしているのは新鮮な証拠。
皮も突っ張っておらずとろっとろで生臭みもなく、酸味あだやかなポン酢がいいアクセント。
先日家で食べた自作の白子ポン酢とは一味も二味も違うよ。当たり前か。
肴が美味しすぎると酒も進むってんで、お酒は天明にチェンジ。パンチがあり、重厚な冬の味覚にぴったり。

■氷見のブリ しゃぶしゃぶ

日本一の名声を誇る氷見のブリはしっかり脂がのっているのに融点が低いせいか口の中でサーッと溶けて、全くくどさを感じません。
しゃぶしゃぶにしてあるので若干脂は抜けていますが、むしろブリ自身の魚肉の味わいが際立ちます。
■あん肝

こちらのあん肝は酒蒸しではなく醤油と酒で煮付けてある初めてのタイプ。
こってりしたあん肝に甘辛い味付けがドンピシャで、強めの特別純米酒にもぴったりでした。
そのお酒というのがこちら。
日本酒発祥の地というだけあって芳醇な味わいで美味しかった〜。

ここから、握りパートが再開します。

長崎県産というアオリイカ。濃厚なあん肝に舌が慣れてしまったのか旨味はそこまで感じられませんでした。
それでも、コリコリ&ねっとりの対極的な両触感が同居していて、食べていて気持ちいいネタでした。
■中とろ 気仙沼

先ほどは赤身をヅケでいただいたマグロの中トロを生の握りでいただきます。
筋っぽさは全くなく、マグロ独特の甘い油分と香りが滅法おいしい。温かめのシャリとの相性もよく、ついつい笑みがこぼれる美味しさ。
■迷いガツオ

なんとここで、話にしか聞いたことがなかった幻の迷いガツオが出てきました。
黒潮に乗って太平洋を北上するはずだったのに間違えて対馬海流に乗って日本海に迷い込んじゃったうっかりさんをそう呼ぶそうです。
カツオ独特の鉄分と香りはしっかり感じれど、戻りのさらに上をいく脂の乗り具合と身の締まりにびっくり。いい経験をさせていただきました。
■アジ

長崎県産というアジは今年二度目の旬まっさかりだとか。
プリっとした歯ごたえと、適度に乗った脂の旨味、そして青魚独特の香りを存分に味わえます。
寿司ネタの中でも一番好きなネタがこれだけおいしいというのはうれしい限りですね。
ここらで次のネタに合うものを、と大将にお願いして運ばれてきたのはお馴染み南部美人。

大ネタが予想される流れにあって納得のチョイスです。
■大トロ

赤身づけ、中トロといただいてきたマグロの大トロを握っていただきました。
脂の旨味にパラメータを全振りしたかのようなこってりした味わいでありながら、全く厭味がないのはマグロのすごさですね。
さわやかな香りのおかげでいくらでも食べられそう。食べたら破産して死ぬけども。
■コハダ

大トロも出てきたしおなかもいっぱいになってきたし、もうそろそろ終わりかな…と思っていたら出てきたコハダ。
コハダといえば、江戸っ子の手ぬぐいを思わせる斑点模様が粋ですよね。
ふんわりさっぱりとした口当たりと、これが初っ端だったら強く感じそうな酢加減が、大ネタが続いたこのタイミングにはうれしいです。
■車海老

車海老は、口いっぱいに頬張るにはちょうど良い、サイマキとマキエビの間くらいのジャストサイズ。
茹でた海老独特の強い甘い香りと味の濃さが海老好きにはたまらないですね。
■いくら

季節的に新物と思われるいくらはオーソドックスに軍艦で頂きます。
プチっとはじけるいくらのジュースが海苔の風味と相まって、磯の香を楽しめます。
■赤貝

こういう歯ごたえのあるネタって、こちらのような粒のしっかりしたシャリとはどうなんだろう…と素人ながらに思っておりました。
が、すしロボットのがちがちシャリならいざしらず、完全なる杞憂でした。
シャリがほろりとほぐれた後に赤貝の歯ごたえがきて、最終的には両者相まってソフトランディングする見事さ。生意気抜かしてごめんなさい…。
■いわし

大ぶりな真鰯はあえての二枚付にしてあるおかげでプリっとした触感が楽しめるのは素敵な工夫ですね。
鰯って歯ごたえが頼りなく感じることが稀にあるけど、シャリと切りつけのおかげで食べ応えばっちりでした。
なんだか早すぎる気もしますが、空いちゃったもんはしゃあないがなってんで実にこの日N回目の追加日本酒は日高見です。超辛口というだけあってキレがあり、ネタの味わいを引き立てます。

■さより

昆布か何かで軽く締めてあるのか、サヨリとは思えないほど歯ごたえがよく旨味もしっかり感じます。
とはいえ、もうこのあたりになると割とお酒も進んでいて、白身を味わうには酔いすぎていた気がする。
完全に自業自得ですが、身勝手をいうならもう少し早くいただきたかったなあ…。
■うに

ここで大将、ウニがいっぱいに詰まった箱を取り出してきました。
海苔をまいたシャリの上にこれでもかと積み上げた様子はまさにウニの山。

こんなにも濃厚でとろりととろけるウニが口の中を満たしまくるのは生まれて初めてですが、幸せなひと時でした。
■しじみの味噌汁

お寿司屋さんで味噌汁って珍しいですよね。味噌の味が勝ちすぎるから吸い物しか出さない、ってよく聞くものの、全然気にならないけどなあ。
しじみだけにしみじみ胃に染みる。落ち着きます。
■あなご

コースもさすがに終盤に差し掛かったところに個人的にはこの日一番だったアナゴをいただきました。
皮目を上にして握ってあるので、シャリがほぐれるとまず内側の身がふんわりとろけます。
最後に皮ぎしの旨味の濃い部分が舌にふれるので、味わいの移り変わりがとてもスムーズというか心地いいんですよね。
振り柚子とあぶった焦げ目のアクセントがまた楽しく、あらゆる面で目からウロコな一貫でした。
■とろたく

トロとたくあんを一緒に海苔巻きにするって最初に考えた人、天才ですよね。
こってりしたトロをたくあんの塩味と甘みが引き締めて安定のおいしさでした。
■たまご

デザート代わりというこちらの卵焼きは、伊達巻を思わせるずっしり食べ応えのあるタイプ。
他のお店に比べても甘味が強めなのが面白いです。
ここまでがコース一通りで、一休にも公示されている価格は22000円弱。
高いと感じるか安いと感じるかは、まあ人それぞれですが個人的には費用対効果はとても高いんじゃないかなと思います。
しっかり仕事をしてあるうえに、味だけでなく高い鮨を食ったぞーと思わせる演出が上手なんですよね。
コースの組み立ても、何度もピークを迎えるというか、クリーンナップが随所に散らばっているというか、息のつかせ方が素敵です。
私のような貧乏人って、味もさることながら、接客とか演出にかなり印象を左右されてしまうので、その点ではハレの日にはぜひ伺いたいお店だと思いました。
まあ、先輩のご厚意に甘えて全額払ってないんで、大きなことは言えないですけどね…。
ありがとうございました(小声)
コースは終了しましたが、えてしてこうしたお寿司屋さんには客の要望に応えるリクエストタイムが存在します。
したがって、これよりリクエストにお答えいただく追加パートとなります。
グルメ先輩に乗っかってぼくが追加させていただいたのは以下の通り。
■さば

秋からこの時期にかけて旬を迎えるマサバ。
締め加減はさすがにソフトで上品なさばを薄めにスライスし、複数枚付けで握りにしてあるので歯応えもよい贅沢な味わいでした。
■らんまる巻き
店の名前を冠したこちらの巻物は、インスタ映えすることでも有名な佳店の名物とのことです。
ま、巻けるの…?とついつい心配してしまうほどにたっぷりとシャリの上にマグロ、たくあん、あさつきを敷き詰め、上手にぐるぐると巻いていきます。



ひゃーすんごい…と圧倒されているところに、いくらをざぶざぶドカ盛りし始めたかと思えば、

さらにその上から先ほど頂いて悶絶したウニをこれでもかとトッピング。

これだけやればまずかろうはずもなく、かつてない贅沢をさせていただいたなあと恐縮するばかりでした。

握りのほうが好きな人も少なからずいるかもしれませんが、先述の通り演出を重んじるらんまるさんらしい、素敵なパフォーマンスだと思います。
追加分もおいしくいただいて、今度こそ本当に終わり。
毎度毎度、この瞬間のさみしさったらないですが、なんだかとっても幸せで満たされた気持ちでした。
客あしらいも上手だし店内も気取ってないし、とっても居心地がいいせいですかね。
ハレの日にはまた是非伺いたいです。次は奥さんも連れて行かないと殺されるな。
最後に、楽しい時間を提供いただいた大将、連れて行ってくださった先輩方、
どうもありがとうございました。
続く
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【食べ歩き】すし北野(牛込神楽坂)
こんにちは。
前回投稿から少し経ってしまいましたが気を取り直して第N回目の投稿です。
私事ながら当方結婚させていただきまして、入籍当日くらい少し豪勢にいこうじゃないかってんで、お寿司を頂いて参りました。
それも、せっかくの記念日だしチェーン店でもないだろうと、これまでも何回か伺っている、牛込神楽坂はすし北野さんに伺うことに。
神楽坂、と名がつくために歓楽街に位置するものと思われがちですが、牛込神楽坂は少し市ヶ谷よりの閑静な住宅街です。
まさかこんなところに寿司屋なんざありゃしないだろうと思いながら歩いていると、モノトーン調に白地で店名が書かれたのれんがかかった、やたらと瀟洒な建物に出くわします。

実は少し前に初めて伺ったのも、住宅街にあって異様な存在感を放つというギャップについぞ惹かれてのものでした。
若干高めのお寿司屋さん独特の入りづらいあの雰囲気に尻込みしつつも勇気を出して入ってみると、中には白木の一枚板に合わせた白基調のすっきりした内装が広がっております。

白木のカウンターをはじめ外観からの印象を裏切らない粋な内装にウキウキしながらも、ちゃんとしたお寿司屋さん特有のどこかキリッとした空気感に、3回目の訪問にもかかわらず少しだけ緊張。
わいなんぞがこんな良いお店に来てええんか…大将お顔、ちょっと険しくない…?なんて若干ネガモードに入りかけていたところに大将のおかけなさいという優しい一言で我に帰り、ウダウダしても始まらないってんでビールをお願いしました。

お酒が入って漸く落ち着いて、改めて店内を見回してウーンやっぱり素敵だね、なんて連れと話していたところに大将から好き嫌い有無の確認が入ります。(蛇足ですがこちらの大将、とっても優しいのでご安心ください。)
勿論なんでもいただきます、とお伝えして、めでたくコースがスタート。今回は予約時に6000円のおまかせ握り10貫コースをお願いしました。
ラインナップとしては他に12000円のつまみ付きコースがありますが、以前そちらをいただいたところボリュームが尋常でなかったこともあり、今回は控えめに握りコースをチョイスしました。
そうして始まったコースの構成は以下の通り。
■先付: 衣かつぎ、菊花とほうれん草のお浸し

季節を感じさせてくれるお通しで、まずはビールを片付けます。坊主頭に剥かれた里芋がちょこんと鎮座しているのがカワイイ。
■真鯛の昆布締め

皮切りは程よく締められた鯛。馴れた白身魚特有の歯ごたえとじっくり引き出された旨味が程よく舌に馴染んでおいしいです。
■小肌
小肌を食べれば職人の腕がわかる、なんて生意気なことは言いたくないけれど、あだやかな酸味が小肌のクセを中和してくれて非常に食べやすく、北野さんのお寿司の確かさを感じさせてくれます。
さっくりした歯ごたえが歯に心地よいアオリイカ。古くなった甲殻類の嫌な臭いは一切せず、すっきりといただけます。イカが大好物の連れにはこの日一番だったらしいです。
■赤貝
秋も深まる中にあって頂いたこちらの赤貝。
存外に香りも良く、コリコリした貝ならではの歯ざわりもしっかりと讃えておりました。
■アジ
個人的に旨味を最も感じたネタがこちらのアジ。「味が良いからアジ」の面目躍如ですね。脂が乗っているのに少しも下卑たところはなく、青魚特有のあの香りもしっかり残っていて、魚好きにはたまらない一品でした。
■赤身づけ
ここで江戸の伝統ネタ、赤身のづけをいただきます。煮切りは甘みの少ない生醤油に近いタイプで、マグロの鉄分とぴったり。力強い味わいに江戸前の仕事を感じます。
■車海老
おいしい車海老てのは良いお寿司屋さんでしか食べられない、という持論があるのですが、今回もとっても美味しくいただきました。マキエビか車海老かというジャストサイズの車海老を口いっぱいに頬張ると決して大味でないのに強い旨味が広がります。
■うにといくらの小丼
江戸前のネタではないとは言え、やっぱりお寿司屋さんに来たら頂きたいのがウニとイクラ。言わずもがなの美味しさに悶絶します。丼仕立てなのは、握れないものは握らないという江戸の心意気ゆえでしょうか。
■中とろ
江戸時代には人々に見向きもされなかったというトロ。現代人のぼくは大好きです。脂は全くくどくなく、比喩でなく口の中でさらりと溶けます。説明不要の美味でした。
■穴子
握りコースのトリを飾るのは、いわばこちらのスペシャリテ、穴子です。
握る直前に笹の上で炙るおかげで、笹の爽やかな香りと香ばしさがプラスされ、非常に芳しい一品に仕上がっております。口に含んだとたんにはらりとほどける様は、さながら穴子の理想形ですね。
■玉子
玉子はいつでもどこでも優しい。
店によって味の違いはあるけれど、やっぱり優しい玉子はこの上ないデザートです。
■ひらめ
玉子はデザート…とかいっておきながら、ついつい追加しちゃったヒラメ。秋も深まったことでうっすらと脂が乗って参りました。淡白ながらもじんわり旨味が湧き出る様は白身魚の醍醐味ですね。
■鯖
秋といえば鯖ですね。
あえて薄造りにしてから握ることで口溶けがよく、はらりとほぐれるシャリと絡んで旨味がより広がります。程よい酸味がクセを和らげてくれて、非常に整った一貫でした。
ここまで追加を含めて都合12貫。
お酒も頂きつつだったので、程よい満腹感ということもあり、ここらでお開きと相成りました。
今回も、大変美味しくいただきました。
それにしても伺うたびに驚くのが、寿司の理想型では?と思わせるような流線型のキレイなフォルム。サイズも小ぶりなので、女性でも無理なく召し上がれます。
うまい寿司は口中でほぐれる、なんて使い古された言い回しではありますが、こちらのお寿司はまさしくそれ。ネタとシャリが一体化して、おいしいお寿司だなあとしみじみ感じます。
個人的にツボなのは、何においても決して押し出しすぎないところ。上述の店外観や内装にも通じるものがあるが、キッチリやるべきことを、またそれ以上のことをやりつつも口には出さない、まさしく粋な空気がここにはあります。
粋な空気が恋しくなったら、またおいしいお寿司が食べたくなったら、是非伺いたいと思います。次は冬ごろかな。
おかげさまで良い記念日になりました。
重ねて感謝申し上げます。
それでは、本日も駄文をお読みいただき、
ありがとうございました。
続く
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【食べ歩き】一茶(白川郷)
こんにちは。
長野・岐阜旅行もついに最終日に突入ということで、最終目的地・白川郷に到着しました。
ここの合掌造りの街並みは今やあまりにも有名で、民宿もなかなか予約が取りづらい状況にある昨今。
今回はありがたいことに、半年前に予約していただいた人気宿のご相伴にあずかる形で、民宿一茶さんに伺いました。

玄関に入ってまず山頭火よろしくといった風貌の狸の剥製が目に入る。

イヌ科の動物になにかと思い入れのある当方としては若干センチな気分になりつつも、それが醸す田舎特有の郷愁に襲われます。
紺地に白太文字のある種粋なのれんの奥から、いかにもな民宿の女将さんが優しくお出迎えしてくれました。
通されたお部屋は和室6畳二間が襖で仕切られた和室。合掌造りらしく、天井が高く広々としていて、畳育ち族にとっては心から寛げる雰囲気です。

ご覧の通り、部屋と外は襖一枚と縁側を挟んでさらに雨戸が一枚が設けられている程度なのに、なんというか全く肌寒さを感じないのには驚きます。
もちろんエアコンは入ってるんだけど、保温性というか温度の活用に無駄がないのはやっぱり旧人の知恵ありきだと思うんですよね。
昔の人はすごいねえなんぞと話しつつ、一息ついたところで街中を散策。夕飯のためには腹ごなしは不可欠ってんで、靴下が濡れるのも厭わず雨の白川町に繰り出したのでした。
いちいちというか流石というか、あらゆる合掌造りの建物が観光に流用されているあたりにも行政努力を感じます。

町の中心部に位置するこちらの広場は、渋滞問題を解消するために移転した駐車場の跡地なんだとか。移転決定までの間には緩和効果測定を含めた実証実験が幾度となく行われたそうです。
白川郷に限った話ではないけれど、観光業を盛り上げようとするこういう取り組みを聞くとなぜか胸にジンとくるのって、ぼくだけでしょうか。
町中には台風接近中の報によるものか日本人観光客はほぼ皆無で、外国人観光客が目立ちます。
今回の逗留先も我々の他には台湾からの品のよろしいご夫婦一組のみで、怪我の功名というべきかかえってゆっくり過ごすことができました。
案の定靴下もぐっちゃぐちゃになり身体も雨で冷え切っちまったし、ときたらやっぱりひとっ風呂恋しくなるのが人情ってやつですよね。
てなわけで、せっかくだからと夕食前の腹ごなしも兼ねて町内の日帰り温泉に行ってみました。

※写真は公式サイトより拝借
写真は撮ってないし泉質も忘れたけど、こちらは食事も宿泊もできる複合施設なので、これはこれで楽しめるんじゃないでしょうか。
庄川を眺めながら頂ける露天風呂もあったりするので、いわゆる民宿のお風呂だけでは物足りないなんて方にもおすすめです。
なんだか白川町観光協会の回し者みたいになっちゃったところでサッパリして宿に戻ると、時刻は頃合いの18時。囲炉裏のある広間に通され、いよいよ晩ごはんの時間が始まりました。

まず目に飛び込んできたのはん、んああああああしゅごいいいぃぃと嬌声を上げずにいられない質実剛健然としたお膳。
何から伝えればいいのかわからないまま時は流れてゆくレベルで品数豊富な中、なんとか記憶している献立は以下の通り。

事前プロファイリングを疑うほど好物ばかりが立ち並んだことによるテンション爆上げ中につき、若干個人補正かかった感想になりますが予めご了承ください。
■姫竹、蕗、ぜんまい、おかひじきの煮物、蕗味噌
山の幸って言葉がこれほど似合う料理も珍しいですね。春先にとれた山菜を加工して秋から冬にかけて食らうという山あいの知恵が一皿に詰まっております。
いかにも飯の友といった味わいで、久住昌之風に言うとウマすぎてマズイ。余談ですがご飯お代わりしちゃったのは自然の摂理。
■さつまいも、大葉、春菊、舞茸の天ぷら
宿の夕食を演出するのはやっぱり油物。パフォーマンス的観点でも重要な役割を担う天ぷらは地の野菜を揚げてあります。
民宿の天ぷららしく冷めていて、料理屋のそれとは全く異なる存在です。が、冷めてるくせに油臭くないし、逆に強く感じる甘みが不思議と美味しい。
冷めても美味しい天ぷらって民宿ならではですよね。それが民宿補正かどうかを追求するのは野暮ってもんです。
※あと春菊って書いたけどこれ多分春菊じゃない。写真から何かわかる方いらっしゃいましたら教えてください。
■イワナの塩焼き
山間部に来たら忘れちゃいけないのがイワナの塩焼き。天ぷら同様冷めてはいるけれど、これも旅情としてプラスに捉えなければならないポイント。確かな存在感でお膳を演出してくれるその存在は重要です。
ちょっと行儀が悪いけど、身をほぐしてご飯に乗せてお茶と一緒に流し込むと、じんわり旨味が全体に滲み出てきて美味しいですよ。
■飛騨牛の朴葉味噌焼き
食事の初っ端におかみさんが火をつけてくれた炮烙がなにやらじぶじぶ啼きだしたのでナンジャラホイと開けてみると、見るからにメインディッシュな厚切り飛騨牛が出てきました。
滲み出る牛の脂がみりんの効いた甘めの朴葉味噌と絡んで、この上なくコッテリ豊かで間違いない味わい。肉質もスッと歯が入るほどに柔らかなまさしく日本人好みで、とっても美味しく頂きました。
山間部の主菜というと、ともするとエンタメ性に欠けるケースが散見されますが、こちらは卓上で焼くライブ感といい、牛肉の心踊るビジュアルといい、インパクトは申し分ないものでした。
というわけであれだけ沢山あった夕食もめでたく完食。
一品一品の味付けはやはり濃いめながら、すべて自然由来なのでまったく嫌味がありません。ついついご飯が進んでしまうのは考えものですが、罪悪感を忘れてグイグイ飯を食らう快感を味わえるのは民宿の醍醐味ということにしておきたい。
ともあれ大変美味しい晩ごはんをごちそうさまでした。
なんだかお腹はいっぱいになったけれど食べるのに夢中だったもんだから少々飲み足りないなってことで、道中の道の駅で購入した秘酒を試してみることに。

時刻は確か20時くらいだったと記憶しておりますが、心地よい満腹感と寝酒のおかげで農家のような脅威的な就寝時間のもと、夜は更けていきました。
あくる朝、もはやパターン化されている旅行時の我々の早起き散歩ですが、今回も例によって起床時刻から朝食時間までは1時間ほどの余裕があるということで、町内を徘徊してみました。
毎年10月にはどぶろく祭りの舞台になるというこちらの神社にお参り。

早朝の神社って、空気が澄んでいるせいか神々しく感じますよね。奈良時代創建という歴史ある神社であれば尚更です。
特に信心深いわけでもない我々一行もなんとなく神聖な気分にひたりつつ、白川郷の地が積み重ねてきた歴史に想いを馳せたのでありました。

町中プラプラしていれば不思議と時間も程よくなってきて、そこはかとない空腹感も漂い始めたということでいそいそと宿に戻ります。
そしてもって、用意万端整っていた朝ごはんがこちら。
どこまでツボを抑えてくるんや…
派手さもないし特筆すべき技術が使われているわけでもないのに、和食育ちの心を揺さぶるラインナップが旅行でいい加減疲れてきた胃袋には有り難い。

名物の朴葉味噌も、前夜に頂いた時の牛肉の引き立て役から味噌そのものを味わう主役へシフト。ご飯の友としてはむしろこちらの方が都合がよく、まさしくよくぞ日本人に生まれけりというお味でした。
※言うまでもなく、白米の生物学上必要摂取量の上限を超過したエピソードは割愛させていただきます。
というわけで、朝ごはんも大変美味しく頂きました。
あらためて、地のものをこれでもかと食べさせてくれるところに、旅情を感じざるを得られません。
なにより、これだけの品数を用意してもてなしてくれるのが嬉しいですよね。
ご馳走の本来の意味はあちこち材料探しに奔走し、手を尽くして客をもてなすことであるというお話を、いつか某グルメ漫画の21巻で読んだけれど、今回のお食事はまさしくそれ。
できる限りの手段を尽くした心遣いが心に染みる、そんなお食事、ひいてはお宿でした。
長野・岐阜旅行は今回の白川郷・一茶さんで〆となりますが、有終の美にふさわしいお宿に伺うことができました。
本投稿をお読みいただき、もし興味が湧いたようでしたら、ぜひ行ってみてくださいね。
それでは、今回も駄文をお読み頂き、
ありがとうございました。
続く
白川郷
岐阜
旅行
グルメ
食べ歩き
【食べ歩き】Bistrot Chez Bois(飛騨市)
こんにちは。
またまた長野・岐阜旅行の続編です。
なにしろ2泊3日の旅行で頂く食事が毎度のごとく印象的だったもんだから、これは都度、記録に残しとかなければならぬと半ばスケベ心で書き留めさせていただきたい所存です。
(ちなみにあと1、2回ほど続編を予定しております)
というわけで今回は、宿坊を発ち白川郷へ向かう道中にある飛騨市の住宅街にひっそりと佇むBistrot Chez Bois(ビストロ シェ・ボワ)さんに伺いました。

な、なんでこんなところに…!?
と思わず聞きたくなっちゃうほど周囲の人通りは少なく、また鉄道駅からもだいぶ離れている模様。
実は7年ぶりに連れてきてもらったんですが、そのことからも長きにわたってこの場所で活躍され続けてきたことが窺えます。

看板犬のココくんが元気よくお出迎えしてくれます。
動物のいるお店ってのはしばしば人を選びますが、犬好きな我々としてはむしろ大歓迎で心なしかテンション上がり気味。
予報では台風が最接近する同日の12時ごろに伺うと、当たり前というべきか客は我々のみでした。
静かなのはありがたいけど、こうなるとかえって活気のある雰囲気の中で飲食したくなっちゃうのは身勝手ってもんでしょうね。
この日頂いたのは、以下の通りオードヴル2皿のあとにメインディッシュ、デザートと続く計4皿のランチコース。
- 豚肉のサラダのガレット包み、地物のキノコ、鴨のテリーヌ
- 玉ねぎのキッシュとスパニッシュオムレツ 黒オリーブとトマトのソース
- 国産鶏むね肉のクリーム煮 バターライス添え
- クロモジのシフォンケーキ カスタードソース、季節のフルーツ
後述しますが、都心では考えられないような費用対効果に驚かされます。地物を使い、うまく工夫もしてあって、観光客の心にも地元客の心にもしみじみと響くお料理ばかり。
そんなシェ・ボワさんの、舌にも心にも楽しい料理たちの詳細は以下に続きます。
■豚肉のサラダのガレット包み、地物のキノコ、鴨のテリーヌ
まずは前菜の一皿目といいながら、肉料理の盛り合わせが出てきました。
写真奥は、火を通した豚肉と絹さやをフレンチドレッシングで和えたフィリングを、ガレット生地で包んだもの。豚肉とドレッシングの脂分が生地のバター香と合わさって、豊かな味わいです。塩気が控えめなところに脂分が重なると冗長に感じることが多いけど、セロリの葉のようなピリッとした辛味がダレた舌を引き締めてくれるのが有り難い。
次に手前に添えられた、鴨の首の皮でレバーや胸肉を巻き込んだ、いわば鴨のソーセージを頂きます。どこをどうカットしても肉塊に出くわすレベルで鴨の存在感がものすごく、全力で鴨肉の旨味がぶつかってくる感じ。一切れで色々な部位を味わえるのも功名というべきか楽しいポイントでした。
上述二品にガルニチュールとして、地元で取れたナメコやイグチといったキノコのマリネが添えられております。ひねたようなキノコ特有の匂いは肉と合わさると不思議と燻製香のように感じられ、むしろ旨味が際立ちます。
■玉ねぎのキッシュとスパニッシュオムレツ 黒オリーブとトマトのソース
一見似ているようで個性が異なる二種類のお料理を盛り込んだ、前菜の二皿目です。
卵で作った生地という共通項はあるものの、調理法による個性の違いが如実に現れております。
丁寧に火を通した玉ねぎ特有の甘さとバターが卵と絡んでどこまでも優しいキッシュと、ごろごろ入った野菜とともにオリーブオイルで焼き上げた香ばしいトルティージャが対照的で楽しい一皿でした。
グリーンオリーブの酢漬けをペースト状にしたソースがピリッと刺激的で、優しさ一辺倒に待ったをかけているところもこの前菜が凡庸に終わらない一因と感じます。
■国産鶏むね肉のクリーム煮 バターライス添え
地元で取れたキノコがたっぷり入った自家製クリームソースで煮込んだ鶏むね肉に、これまた自家製のバターライスが添えられた、食事とメインを兼ねたと思しきメインディッシュ。
西洋では米を野菜として扱いがちながら、こちらはしっかり主食を意識した米使いなので日本人にも馴染みやすいのではないでしょうか。
じっくりゆっくり処理された鶏むね肉の火入れ加減はレアの一歩手前程度。そのため全くパサつかず、あくまでしっとりしております。クリームソースは薄力粉を使用せず、玉ねぎとクリームの甘みと滋味が効いたモッタリしていないシンプルタイプ。
なんというかコクを必要最低限に備えてあって、ランチのメインとしては適度なボリューム感が嬉しいですね。
■クロモジのシフォンケーキ カスタードソース、季節のフルーツ
東京にいるとなかなかクロモジを食用する機会ってのはないと思います。
あの高級爪楊枝の材料として知られるクロモジの芳香をアクセントに焼き込んだ自家製シフォンケーキに、フルーツの酸味と程よい甘さを讃えたカスタードソースを絡めて頂きます。
クロモジの爽やかな香りがカスタードソースで甘くなった舌を引き締めてくれるおかげで、フルーツ自体の味もちゃんと楽しめます。具材の一つ一つがくっきりと味わえるようにといった気遣いの感じられるデセールでした。
この充実した内容で価格は2500円でした。
品数でいえばそこまで突出していなさそうだけど、一つ一つのポーションが大きいので実際に頂いくと想像以上の充足感。
飛騨ならではの料理を出そうという気概も感じられて、個人的にはとっても素敵なレストランと思います。
立地が立地だけにおいそれと再訪はし難いのが残念ですが、長野県を旅行する折にはまたぜひ伺いたいですね。
それでは、本日も駄文をお読みいただき、
ありがとうございました。
長野・岐阜旅行はまだ続く
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