こんにちは。
日本中で猛威を振るった台風(もといゴミクズ野郎)の爪痕が残りまくっている今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
被災に遭われた皆様方には心よりお見舞い申し上げます。
本来であれば冬に備えた恵みの季節たるこの時期に、史上最大レベル規模の台風が飛んでくるとかいう信じがたいニュースを耳にしたのが10月頭。
例によって、不安に駆られた人々で溢れかえった諸SNSたちが軒並み祭り状態に陥る中、当方もゴミクズ野郎の動向が気になって眠れない夜が続いておりました。
というのも、直撃が予想された10月11日からの三連休まさにその時に、長野・岐阜旅行計画を立てていたから。
ふざけんなよブチ●すぞ
という誰も見ていない悪態をつきつつも天気予報から察するにどうやら中部地方北部は直撃は免れそう、という一筋の光明を見出しました。
加えて、長らく楽しみにしてきた予定がポッと出の天候不順に潰される気持ちといったらやるせないことこの上なく、しかも心に大きな傷を残しかねぬ…ということで、若干の不安はあるものの、
決行…っ!と相成りました。
そして迎えた出発当日の11日、意外にも雨は降っておらず、晴れ間も見えてピーカンではないけれどまずまずの天気。
上陸予報時間はまだ後とはいえ、地獄で仏的シチュエーションにひとまず安堵したのでした。
今回の旅行は、長野県上田市から岐阜は白川郷にかけてを車で巡る山間ドライブツアー。
旅行というだけあっていろいろなアクティビティが予定されていたものの、一行はみな食べるの大好きということで、秋の山の味覚を味わうのも大きな楽しみの一つ。
そんな中で、まず最初に訪れたのがこちら。
長野県上田市の山奥に佇む丸光園松茸山さんに伺いました。
日本人であれば、松茸を腹一杯食べてみたい…と一度は夢みたことがあるんじゃないでしょうか。
そこまでではなくても、なんとなく高級品といえば松茸!なんてイメージを持つ人、少なくないと思います。
ここ丸光園松茸山さんは、そんな夢をリーズナブルに実現させてくれるお店ではないでしょうか。
なにせ、こちらのお店が位置する鴻之巣山は、いたるところにアカマツがニョキニョキ生えている、別名松茸山。
豊富な産出量を誇る産地ならではの価格設定で松茸尽くしを味わうことができるまさに天国のような場所ですね。
なお、当然ながら9月中旬〜11月の期間限定ですのでご注意ください。
そんな丸光園さんで頂いたのは以下の通り。
- 松茸の茶碗蒸し
- 松茸の土瓶蒸し
- 松茸の天ぷら
- 焼き松茸
- 松茸鍋
- 松茸のお吸い物
- 松茸のホイル蒸し
- 松茸ご飯
字面だけですべての松茸信者が圧倒されそうな勢いです。
シーズンもたけなわなためか、テーブルを見渡すと、形の立派な松茸が惜しげもなく使われていて、なんだかバチが当たりそうな気すらしてくる…そんな中で、ついに我々の卓でも松茸祭りが始まりました。
■松茸の土瓶蒸し
初っ端からこれかいなと良い意味で出鼻を挫かれんばかりに、土瓶蒸しが出てきます。
突き出しという概念を度外視しつつ、松茸それ自体の香りを印象付ける一品目でした。
普通土瓶蒸しといえば、カシワやら銀杏やら様々な具材で香りを増強するものですが、こちらのそれは松茸のみによる一本勝負。
にも関わらず、むせ返るような松茸の芳香が楽しめるあたりはさすがの一言ですね。
■松茸の茶碗蒸し
同時に運ばれてきたのがこちらの茶碗蒸し。
土瓶蒸し同様、具は松茸のみのド直球な一品。
若干の巣が入っているところも飽くまで素朴で、むしろ山奥の食堂ならではのご愛嬌。
料亭でいただくそれのような出汁の細やかさはないけれど、優しい卵液が松茸を引き立ててくれて優しい味わいが嬉しいです。
■松茸の天ぷら
きのこと油ってめっぽう相性がいいってのはだれもが認めるところと思いますが、今回は松茸を天ぷらで頂いちゃいました。
きのこの王様・松茸をみんな大好きな天ぷらで作るというだけでテンション爆上げ必至。
大ぶりな個体に歯を入れるとサクサクの衣の中から松茸の芳香が飛び出してくるのがわかっていてもやっぱり嬉しいですね。
ぶっちゃけ松茸というと香り先行で、ともすると物足りなさを感じることもなくはないのですが、油分が食べ応えを補って、新鮮な味覚を与えてくれました。
■焼き松茸
そうこうしている間に、鉄板からチリチリと音が聞こえ始めました。焼き松茸が食べ頃を迎えた合図です。
これまた大ぶりな松茸を、鉄板で焼いて醤油をつけて食べるシンプル極まりないこちら。
俗に松茸の涙と呼ばれる水分が表面に浮き出てきたところを頂きます。
焼くと香りがより強調されて、香り松茸味シメジの面目躍如といったところでしょうか。
シャクシャクした感触と強い香りで、ああ今まさに松茸を食ってるんだなあということを実感できる一品でした。
■松茸鍋
もうすでに数年分の松茸を食べたのと違いますかと誰もが感じ始めたタイミングで、店員さんがそっと運んできたインパクト抜群のこちらはその名も松茸鍋。
甘辛の割り下が注がれた浅めの鍋に、ネギと糸こんにゃくを敷き詰め、カシワの胸ともも肉を重ね、そしてその上にはトッピングというには膨大すぎる松茸のスライスがどっさり。
圧倒的ビジュアルにギャーという嬌声というか悲鳴が上がる中、鶏肉に火が通ったら食べ頃。すき焼き風に溶き卵を絡めて頂きます。
すき焼き風の味付けやカシワの出汁のお陰でコッテリした味わいなのに、それでもなお、健気なまでに本来の香りを讃える松茸ってのは大したキノコですね。
鶏肉やその他ザクの量が松茸を味わうには少々過剰な気もしましたが、とはいえ目先が変わって、とっても美味しく頂きました。
■松茸のホイル蒸し
松茸の波状攻撃はいまだとどまることを知らぬとばかりに、アルミホイルに包まれた謎の物体が出てきました。
なんじゃらほいとおもむろに開けてみると、圧倒的な芳香とともに現れたのがこちら。
理想の松茸を絵に書けといわれたらこうなるんじゃないかしらというと少々大げさですが、傘の開き具合といいサイズといい、この日一番と思しき個体が蒸し焼きにされた、こちらのホイル焼き。
傘の先端に切れ目を入れて、熱さを堪えつつ手で裂きながら頂きます。
醤油と酒を振りかけて蒸し焼きにしたことで適度に水分が抜け、凝縮された旨味と香りはこの日随一。
なおかつシャクシャクと歯ごたえ良く、松茸の醍醐味を味わえるという点では、焼き松茸に勝るとも劣らないかもしれません。
■松茸ご飯とお吸い物
松茸尽くしときたらこれを食べずして終われないのが、やっぱり松茸ご飯。
料理で余った松茸の切れ端や軸をこれでもかとぶち込んで薄味で炊き上げられており、そこはかとなくプンプン漂う松茸の香りが楽しめます。
つまるところ日本人には米の飯とはよく言ったもので、ご飯をグイグイ飲み込む快感は主食白米族にはたまらないですね。
山奥の食堂よろしくおかわりを促されますが、ここまでいただけば流石にお腹はハチキレそうということで、同じくおかわり自由の松茸のお吸い物を啜ってお開きとなりました。
ここまでブログ記事を書いている間にも松茸香りが思い起こされるほど、松茸を食べまくったひと時でした。
たびたび申し上げた通り、数年分の松茸を喰らい尽くしたかのような圧倒的満足を覚えます。
それでいて、お値段は11000円のリーズナブルかつ明朗会計。
趣向を凝らした料理とは言えないけれど、雰囲気のざっかけなさや値段の手頃さも手伝って、都内の料理屋さんで頂くそれよりも気兼ねなく、心の底から松茸を楽しむことができる場所だと思います。
正直、しばらく松茸は食べなくていいかな…と思わなくもないけれど、松茸欲が再燃した折には是非また伺いたいと思います。
それでは、今回も駄文をお読みいただき、
ありがとうございました。
旅はまだ始まったばかりということで、長野・岐阜旅行続編に続く。
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